問い合わせフォーム営業は違法なのか。特定電子メール法との関係を整理する
最終更新 2026年08月21日
「問い合わせフォームから営業して大丈夫なのか」という質問をよく受けます。
結論から言うと、フォーム営業そのものは違法ではありません。ただし、守るべき線があります。
特定電子メール法はメールの法律
特定電子メール法(2002年施行)は、広告・宣伝を目的とした電子メールの送信を規制する法律です。
法人が違反すると3,000万円以下の罰金が定められています。
ここで重要なのは、この法律の対象が「電子メール」だという点です。
問い合わせフォームからの送信は、一般にこの法律が直接の対象とするものではないと解されています。
メールで送る場合は条件がある
一方、メールアドレス宛に送る場合は特定電子メール法が直接効いてきます。
原則として、あらかじめ同意を得た相手にしか広告メールを送れません(オプトイン規制)。
ただし例外があります。自己のメールアドレスを公表している法人に対しては、
同意がなくても送れます(3条1項4号)。会社のサイトに「info@〜」と載せている場合がこれに当たります。
この例外を使う場合でも、法律で表示が義務づけられている項目があります(4条)。
- 送信者の氏名・名称
- 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL
- 送信者の住所
- 苦情や問い合わせを受け付ける電話番号など
これらを本文に書いていないと、例外に当たっても違反になります。
「営業お断り」と書いてある場合
フォームの近くに「営業目的のご連絡はお断りします」と明記されている場合、
そこへ営業を送るのは避けるべきです。法律以前に、相手が明示的に拒否している以上、
送っても関係が悪化するだけで、成果にもつながりません。
自動送信ツールを使うなら、この記載を検出して自動的に除外する仕組みが必要です。
量と頻度の問題
法律上の禁止がなくても、極端な量や頻度で送れば、業務妨害を問われる余地はあります
(確定した判例は確認できていません)。
実務的には、法律よりも先に相手のサーバーとご自身の評判を守る観点で上限を決めるべきです。
- 同じ会社に何度も送らない
- 1日の送信件数に上限を設ける
- 1件ごとに間隔を空ける
実務で守るべき5つの線
1. 「営業お断り」の記載がある会社には送らない
2. 同じ会社に重複して送らない
3. 配信停止の申し出があったら、その場で二度と送らないリストに入れる
4. メールで送るなら、法定の4項目を必ず本文に入れる
5. 1日の送信量に上限を設ける
この5つを仕組みとして持っていれば、法的にも実務的にも問題になりにくくなります。
逆に、これらを人の注意力だけで守ろうとすると、いつか必ず漏れます。
※ 本記事は一般的な情報の整理であり、法的な助言ではありません。
個別の判断は弁護士にご相談ください。
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