
入札保証金と契約保証金の違い【2026年版】
この記事の要点
- 実績や保険加入で免除・代替が可能な場合が多い
入札保証金と契約保証金の違いは「納付するタイミング」と「目的」
入札保証金は入札に参加する段階で納める保証金であり、契約保証金は落札後に契約を締結する段階で納める保証金です。前者は「入札を辞退・撤回しないことの担保」、後者は「契約内容を確実に履行することの担保」という役割の違いがあります。この2つを混同すると、資金計画や手続きのタイミングを誤り、入札参加資格の停止や契約解除といったトラブルにつながることもあるため、それぞれの性質を正確に押さえておく必要があります。
入札保証金とは
目的と発生タイミング
入札保証金は、入札に参加する事業者が「落札した場合に契約を辞退しない」ことを担保するために、入札前または入札と同時に納付する保証金です。会計法や地方自治法に基づく制度で、国や地方公共団体が発注する公共工事・業務委託などで広く採用されています。
入札後に落札者が契約を締結しない、いわゆる「入札の辞退」を防ぐための仕組みであり、発注者側のリスクヘッジとして機能しています。
金額の目安
入札保証金の額は、契約金額(予定価格)のおおむね5%程度とされるケースが多く見られます。ただし発注機関や案件の規模によって幅があり、3%〜10%程度で設定される場合もあります。金額は入札公告や入札説明書に明記されているため、案件ごとに必ず確認することが重要です。
免除されるケースが多い
実務上、入札保証金は多くの案件で免除されています。主な免除条件は以下のとおりです。
- 過去2年間程度、国や地方公共団体との契約を履行し、不誠実な行為がなかった事業者
- 履行保証保険契約を締結している事業者
- 保証事業会社の保証を付している事業者
- 入札金額が少額で、発注者が特に必要と認めない場合
こうした免除規定があるため、実際に現金や小切手で入札保証金を納付する場面は限定的です。とはいえ、免除の要件を満たしていない新規参入業者や、指名停止明けの業者などは納付を求められることがあるため、事前に入札説明書の記載を確認しておく必要があります。
入札情報を追いながら記事まで書くのは無理があります。記事づくりは、代わりにやります。1日667円(税抜)から。
入札案件はこちら →契約保証金とは
目的と発生タイミング
契約保証金は、落札者が発注者と契約を締結する際に納付する保証金です。契約内容を履行しなかった場合や、工事の手抜き・納期遅延など契約不履行が生じた場合に、発注者が被る損害を補填するための担保として機能します。
入札保証金が「入札段階」の担保であるのに対し、契約保証金は「履行段階」の担保である点が最大の違いです。
金額の目安
契約保証金の額は、契約金額の10%程度とされることが一般的です。国の機関では会計法令上、原則として契約金額の10分の1以上と定められているケースが多く、地方公共団体でも同水準か、それに準じた割合が採用される傾向にあります。ただし発注者の規則によって差があるため、契約書案や入札説明書で必ず確認してください。
納付方法の選択肢
契約保証金の納付方法には、主に次のような手段があります。
- 現金または銀行振込による納付
- 金融機関の保証(銀行保証)
- 履行保証保険契約の締結
- 公共工事履行保証証券の差し入れ
- 保証事業会社(建設業保証など)による保証
現金納付は資金繰りへの影響が大きいため、多くの事業者は履行保証保険や保証事業会社の保証を利用し、実質的な現金負担を抑える方法を選んでいます。
入札保証金・契約保証金の違いを一覧で整理
両者の違いを整理すると、次のようになります。
- 納付時期:入札保証金は入札時、契約保証金は契約締結時
- 目的:入札保証金は入札辞退の防止、契約保証金は契約不履行の防止
- 金額水準:入札保証金はおおむね5%程度、契約保証金はおおむね10%程度
- 免除の可能性:入札保証金は要件を満たせば免除されやすく、契約保証金も保険・保証で代替可能
- 返還時期:入札保証金は落札決定後(非落札者には速やかに返還)、契約保証金は契約履行完了後に返還
実務でよくある失敗例
免除条件を確認せず資金を用意してしまう
過去の契約実績があるにもかかわらず、免除申請の手続きを行わずに入札保証金を全額用意してしまい、無駄な資金拘束が発生したケースがあります。入札説明書に免除規定がある場合は、必要書類(契約実績証明など)を早めに準備しておくことが有効です。
契約保証金の納付方法を直前まで決めていない
落札後、契約保証金の納付期限までに保証保険の手続きが間に合わず、契約締結が遅延した事例も見られます。履行保証保険や保証事業会社の利用を検討している場合は、入札段階から保険会社・保証機関に事前相談しておくとスムーズです。
返還手続きを放置してしまう
契約完了後、契約保証金の返還請求を行わないまま長期間放置し、資金の回収が遅れるケースもあります。返還時期や必要書類は契約書に明記されているため、履行完了後は速やかに手続きを進めることが望ましいです。
まとめ
入札保証金と契約保証金は、どちらも発注者のリスクを担保する制度ですが、発生するタイミングと目的が異なります。入札保証金はおおむね契約金額の5%程度、契約保証金はおおむね10%程度が一つの水準ですが、案件ごとに異なるため入札説明書・契約書案での確認が欠かせません。免除規定や保証保険の活用によって現金負担を軽減できる場合も多いため、資金計画を立てる際は早めに発注機関へ問い合わせることをおすすめします。制度の詳細や最新の運用については、中小企業庁や発注機関の公式情報も参考にしてください。
【最終判断は発注機関へ確認】
よくある質問
- Q. 入札保証金と契約保証金は両方とも必ず納付する必要がありますか?
- A. いずれも一定の要件を満たせば免除されるケースが多くあります。過去の契約実績や履行保証保険の加入状況によって免除される場合があるため、入札説明書や契約書案の記載を必ず確認してください。
- Q. 入札保証金はいつ返還されますか?
- A. 落札者以外には、落札決定後速やかに返還されるのが一般的です。落札者については契約締結時に契約保証金へ充当される場合もあるため、発注機関の規定を確認する必要があります。
- Q. 契約保証金を現金以外で納める方法はありますか?
- A. 履行保証保険契約や保証事業会社の保証、公共工事履行保証証券などで代替できる場合があります。現金負担を抑えたい場合は、これらの方法を早めに検討することをおすすめします。



