
オステオパシーとは?体のしくみと手当ての考え方
この記事の要点
- オステオパシーは骨・筋肉・内臓・神経を体全体のつながりとしてみる考え方
- 初診は問診と施術で60〜90分ほど、通う回数はおおよそ3〜10回くらいが多い
- 痛みの場所と原因の場所が一致しないことが多く、他をかばって痛む例がある
オステオパシーとは何か、結論から
オステオパシーとは、骨・筋肉・関節だけでなく内臓や頭蓋、神経の働きまで含めて体全体のつながりをみながら、手で体の状態を確かめて整えていく手技の考え方です。19世紀にアメリカで生まれた手技療法で、体には自分で調子を整えようとする力があるという前提に立ち、その働きを妨げている部分を探して手当てするのが基本的な発想です。
日本では法律上の資格制度があるわけではなく、施術者ごとに学んだ背景や得意分野が異なります。この記事では、オステオパシーという考え方の中身と、実際の施術の現場でどんな流れで体をみているのかを紹介します。
オステオパシーの基本的な考え方
オステオパシーには、いくつかの土台となる考え方があります。
- 体は骨・筋肉・内臓・神経・血管などがひとつにつながって働いている
- 体には自分で調子を整えようとする働きが備わっている
- 体の一部の動きが悪くなると、離れた場所にも影響が及びやすい
- 手当てをする側は、その働きを妨げている部分を探して整える役割を担う
たとえば「痛いと訴えている場所」を実際に手で確かめてみると、思ったより動きが保たれていることがあります。この場合、痛みの出ている場所そのものよりも、そこをかばって働かせすぎている別の場所に原因があることが多い、という見方をします。オステオパシーでは、痛みの場所と原因の場所が一致しない前提で体全体を確かめていきます。
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オステオパシーとカイロプラクティックは、どちらも手技を中心とした施術という点では共通していますが、生まれた背景や重視する範囲が異なります。カイロプラクティックは背骨や関節の動きを中心にみていく手法として発展してきました。一方でオステオパシーは、関節や筋肉に加えて、内臓や頭蓋の動きまで手当ての対象に含める点が特徴です。
実際の施術現場では、この二つを厳密に分けて使うというより、患者に説明しやすい方法を選びながら組み合わせて用いることが多いようです。過去の手術歴やけがの経歴によって、関節・筋肉・頭蓋・内臓のどこを中心に手当てするかを変えるという考え方も、オステオパシーならではの視点といえます。
施術ではどうやって体の状態を確かめるのか
オステオパシーの施術所では、初診時にまず問診をていねいに行うところが多く見られます。過去の既往歴、他の施術所でどんな手当てを受けてきたか、健康診断の結果、どう動くと楽になり、どう動くと辛くなるかといった内容を聞き取ります。問診と施術を合わせておおよそ60〜90分ほどかかることもあり、体の状態を確かめる時間として十分にとる施術所が多い印象です。
体の状態を確かめる方法としては、次のようなものが組み合わされます。
- 手を当てて体の緊張が強い部分を探る方法
- どこから先に手当てをするかの優先順位を決める方法
- 筋肉の反応をみる方法(カイロプラクティックで使われることが多い)
- 体全体の動く範囲を確かめる方法
これらを組み合わせて、痛みの場所とその原因になっていそうな場所を照らし合わせながら、手当てする部分を決めていきます。
どんな不調の相談が多いか
オステオパシーの施術所に相談に来る内容には、いくつか傾向があります。
頭痛の相談では、頸の上部の動きの悪さ、体全体の巡りの悪さ、顎の食いしばりが関係していると考えられる場合が多く見られます。食いしばりが関係していそうなときは、顎関節や側頭筋、咬筋、顎周りの靭帯なども手当ての対象にしながら、あわせてストレスの状況についても話を聞くことがあります。
生理に伴う不調の相談では、子宮や卵巣と骨盤のつなぎ目、頭からのホルモンの影響が関係していると考えられることがあり、子宮を支える靭帯まわりを手当ての対象とする考え方があります。
また、右の肩や右の首の張りが、肝臓の働きや、肝臓に関わる自律神経、首から出て一部が肝臓に届く神経の状態と関連していると見立てて手当てをすることもあります。こうした見立てで手当てを重ねると、3回目から6回目あたりで変化を感じたと話す方もいるといわれています。ただし、これは施術者がそう見立てて手当てをした一例であり、感じ方や期間には個人差があります。
赤ちゃんの頭の形についての相談もあり、骨と骨のつなぎ目を手当ての対象とする考え方があります。痛みを伴うものではなく、赤ちゃんが泣くかどうかは個人差があるとされています。
季節によっても相談内容は変わり、寒い時期は腰や首まわり、花粉の時期は咳やくしゃみを繰り返すことによる腰・首・肋骨まわりの負担が増える傾向があるとされます。この場合、肺や横隔膜に関わる神経の出入り口や、腰椎・頸椎まわりの筋肉を手当ての対象とする考え方があります。
いずれの場合も、体のしくみをこう考えて手当てする場所を決めているという説明であり、症状がなくなることを保証するものではありません。気になる症状が続くときは医療機関にご相談ください。
通う回数とかかる時間の目安
通う回数はおおよそ3〜10回くらいとされることが多いようですが、これはあくまで大まかな見方であり、体の状態や生活の仕方によって大きく変わります。特に食べているものの影響は大きいといわれており、施術と並行して食事の内容を見直すことをすすめる施術所もあります。
実際の現場では、接骨院や整体院を何か所か回っても体の変化を感じられず、あらためて別の施術所を訪ねる方が一定数いるといわれています。これは、体の状態の見立て方や手当てする場所の選び方が施術所ごとに異なることが背景にあると考えられます。どの施術所が合うかは体の状態や好みによって差があり、断定はできません。
初診にかかる費用は地域によって差があり、物価水準の違いによっておおよそ数千円から1万円台前半までの幅がある施術所が多いようです。施術時間そのものは地域による違いはあまりないとされています。
施術所を選ぶときに確認しておきたいこと
オステオパシーを受けてみたいと考えたときは、次のような点を確認しておくと安心です。
- 問診にどのくらいの時間をかけているか
- 過去のけがや手術歴を聞いてくれるか
- 体のどの部分を中心に手当てするか説明してくれるか
- 通う回数や期間について、幅を持たせた説明をしてくれるか
医師による検査が必要と考えられる状態のときは、検査を優先することをすすめる施術所もあります。体の不調が長く続く場合や、原因がはっきりしない場合は、自己判断だけで進めず、必要に応じて医療機関に相談することも大切です。国の医療機関の探し方や制度については、厚生労働省の案内も参考になります。
まとめ
オステオパシーとは、骨や筋肉だけでなく内臓や頭蓋、神経の働きまで含めて体全体のつながりをみながら、手で体の状態を確かめて整えていく手技の考え方です。痛みの場所と原因の場所が一致しないことが多いという前提に立ち、問診と体の動きの確認を組み合わせて手当てする場所を決めていきます。通う回数や変化の感じ方には個人差があり、保証されるものではありません。気になる症状が続くときは、医療機関への相談もあわせて検討してください。
よくある質問
- Q. オステオパシーとカイロプラクティックはどう違いますか
- A. カイロプラクティックは背骨や関節の動きを中心にみる手法として発展してきました。オステオパシーはそれに加えて内臓や頭蓋の動きまで手当ての対象に含める点が特徴で、現場では患者に説明しやすい方を選びながら組み合わせて用いることもあります。
- Q. オステオパシーは何回くらい通うものですか
- A. おおよそ3〜10回くらいとされることが多いですが、体の状態や生活の仕方、特に食べているものの影響によって大きく変わるため、一概には言えません。
- Q. オステオパシーは医療機関の代わりになりますか
- A. なりません。体の状態を確かめて手当てをする施術であり、診断や治療を行う医療行為とは異なります。気になる症状が続くときは医療機関にご相談ください。



