
玄米リジュベラックの作り方と失敗を防ぐ発酵の手順
この記事の要点
- 玄米大さじ2〜3と水約400mlで20度前後なら24〜48時間で発酵する
- 爽やかな酸味臭は成功の証で、異臭や粘り気がある場合は破棄する
- 完成後は冷蔵保存し2〜3日程度を目安に使い切る衛生管理を徹底する
玄米リジュベラック(Rejuvelac)とは、生の玄米を水に浸して発酵させた植物性の発酵水のことです。玄米の胚芽に宿る力と自然の乳酸菌を活用し、台所で手軽に仕込める伝統的な発酵飲料として親しまれています。詳しくは後述します。
日本の伝統食では、古くから穀物や発酵の力を日々の食卓に取り入れてきました。穀物の粒を丸ごと活かす知恵は、現代の忙しい暮らしの中で食事のバランスを見直すきっかけにもなります。まずは基本となる材料の選び方と道具の準備から確認していきましょう。
玄米リジュベラックの基本情報と準備するもの
仕込みに必要な材料は玄米と水だけですが、発酵を穏やかに進めるためには素材選びと器具の衛生管理が重要です。
準備する材料と道具の基準
用意する玄米の量は、1回あたり大さじ2から大さじ3程度(約30gから45g)が扱いやすい分量です。合わせる水は300mlから500ml程度を用意します。
発酵に適した素材と器具の条件は次の通りです。
- 玄米:発芽能力が残っている、農薬の使用を抑えて栽培された新鮮な玄米
- 水:塩素を含まない浄水、または煮沸して冷ました軟水
- 保存容器:煮沸消毒またはアルコール消毒が可能なガラス瓶(容量500mlから1L程度)
- カバー:通気性を確保するためのガーゼや清潔な布、留めるための輪ゴム
玄米が生きている状態であることが不可欠なため、過剰に加熱乾燥された米や古すぎる米は避けるのが賢明です。
衛生管理の基本
家庭で発酵水を仕込む際は、目的外の雑菌が混入しないよう環境を整える必要があります。食品の衛生管理に関する基本的な考え方は、厚生労働省の家庭での衛生ガイドラインなどでも示されている通り、器具と手の洗浄が基本です。ガラス瓶はしっかりと熱湯消毒を行い、水気を切って乾かしておきましょう。
失敗しない玄米リジュベラックの作り方
仕込みは大きく分けて「洗米」「浸水(目覚め)」「発酵(抽出)」の段階に分かれます。季節や室温によって発酵速度が変わるため、状態を観察しながら進めます。
手順1:玄米の丁寧な洗浄と浸水
玄米をボウルに入れ、表面の汚れを落とすように優しく水洗いします。強く研ぎすぎると胚芽が取れてしまう場合があるため、指先で軽く泳がせる程度にとどめます。
洗った玄米を清潔なガラス瓶に入れ、玄米がしっかり被るくらいの水を注ぎます。瓶の口にガーゼをかぶせて輪ゴムで留め、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置きます。
浸水時間の目安は、室温が20度前後の環境でおおよそ12時間から24時間です。玄米の胚芽部分がわずかにふくらみ、小さな気泡が立ち始めたら浸水完了のサインです。浸水に使った最初の水は一度捨て、玄米を軽くすすぎます。
手順2:発酵水の抽出
すすいだ玄米を瓶に戻し、新しい水を300mlから400ml程度注ぎます。再びガーゼで蓋をして、常温で静置します。
発酵にかかる時間の目安は、春や秋の室温(20度前後)でおおよそ24時間から48時間程度です。夏場の暖かい時期であれば18時間から24時間程度で仕上がる場合もあります。表面に微細な泡が浮き、リンゴのような爽やかな酸味のある香りが漂ってきたら完成です。
完成した液体は茶こしなどで清潔な別容器に注ぎ分け、冷蔵庫に入れて保管します。残った玄米には再び同量の水を注ぐことで、2回から3回程度は繰り返しリジュベラックを抽出できます。回数を重ねるごとに発酵の進み方が早くなる傾向があるため、においの変化をこまめに確認しましょう。
栃木・矢板で開いている雑穀料理教室のご案内です。1Day体験もあります。
料理教室のご案内はこちら →状態の見極めとよくある失敗への対策
自然の微生物の働きを利用するため、仕込む環境によって仕上がりに差が出ます。安全に楽しむための確認ポイントをまとめました。
成功と失敗を見分けるチェックリスト
仕込み中の状態が順調かどうかは、見た目とにおいで判断します。
- □ 澄んだ淡い黄金色またはわずかに白濁している
- □ フルーティーで穏やかな酸味の香りがする
- □ 舌先にわずかな発泡感や穏快な酸味を感じる
一方で、次のような状態が見られる場合は雑菌が繁殖している可能性があるため、口にせず破棄してください。
- 鼻を突くような腐敗臭、硫黄のようなにおい、ドブのような異臭がする
- 液体に強い粘り気があり、糸を引いている
- 水面や米の表面に黒色・赤色・緑色などのカビが生えている
うまく発酵しない主な原因
発酵が進まない、または異臭がする場合、主な要因として温度管理と水の性質が挙げられます。
室温が15度以下と低い環境では菌の活動が鈍くなり、完成までに長時間を要して途中で傷んでしまうケースがあります。寒い季節は暖かい部屋の棚の上などに置く工夫が役立ちます。また、水道水をそのまま使うと残留塩素の影響で微生物の働きが妨げられることがあるため、必ず汲み置きや浄水を使用してください。
日常生活への取り入れ方と食の心得
完成したリジュベラックは、冷蔵庫で保管しながら2日から3日程度で使い切るのが衛生的です。冷たいまま少量ずつ味わうほか、自家製の漬け床の水種として使ったり、スープのベースに少量加えたりと幅広く活用できます。
栃木県矢板市で雑穀の料理教室を主宰するミレットスタイルでは、「私たちの体は食べものからできている」という原点を大切にしています。玄米などの未精製穀類や発酵の力を借りながら、不要なものを溜めない毎日の食事を整える暮らしを提案しています。
発酵食品を生活に取り入れる際は、一度にたくさん摂るのではなく、日々の食卓に少しずつ無理のない形で取り入れていく姿勢が長続きの秘訣です。なお、体質や体調によって発酵水が合わない場合もあります。感じ方には個人差がありますので、違和感を感じた際は無理に続けず、気になる症状が続くときは医療機関にご相談ください。
台所での発酵仕事を通じて、季節の移ろいや穀物の豊かな生命力に目を向けてみてはいかがでしょうか。毎日の台所から食を見直したい方は、ミレットスタイルの1Day体験教室で基本の穀物料理に触れてみるのもおすすめです。
よくある質問
- Q. 残った玄米はどのように使えばよいですか?
- A. 2〜3回水を注いでリジュベラックを抽出した後の玄米は、白米と一緒に炊飯して混ぜ込んだり、スープや煮込み料理の具材として加熱調理して無駄なく召し上がれます。
- Q. 冬場など室温が低いときはどのように仕込めばよいですか?
- A. 室温が15度以下の環境では発酵が進みにくくなります。暖房の効いた部屋の高い場所(暖かい空気が溜まる場所)に置くか、保温バッグなどを利用しておおよそ20度前後の環境を整えてください。
- Q. 水道水をそのまま使っても発酵しますか?
- A. 水道水に含まれる残留塩素が発酵に必要な有用菌の働きを抑えてしまうことがあります。浄水器を通した水や、一度沸騰させてカルキを飛ばし十分に冷ました軟水を使用することをおすすめします。
この記事を紹介・引用するときは
下のリンクをそのまま貼ってお使いください。文章を引用されるときは、出典としてこのページへのリンクをお願いします。



