
雑所得の控除2026年版|経費と申告の基本を解説
この記事の要点
- 雑所得専用の控除枠はなく、経費と所得控除の2段階で節税を行う
- 副業の所得が年間約20万円を超えると原則確定申告が必要になる
- 経費按分の根拠記録がないと税務調査で否認されるリスクがある
雑所得に「控除」はない?結論から解説
雑所得そのものには、給与所得控除のような専用の控除枠は存在しません。ただし、収入から必要経費を差し引くことはでき、さらに所得税を計算する段階で基礎控除や社会保険料控除などの「所得控除」を全所得から差し引くことが可能です。この2段階の仕組みを理解することが、雑所得の節税の第一歩になります。
雑所得とは何か
雑所得とは、給与所得・事業所得・不動産所得など他の9種類の所得区分に当てはまらない所得のことです。具体的には以下のようなものが該当します。
- 副業として行う原稿料・講演料・アフィリエイト収入
- 公的年金等(老齢年金など)
- 仮想通貨(暗号資産)の売却益
- 個人年金保険の年金部分
- シェアリングエコノミーで得た所得(フリマアプリの継続的な販売など)
国税庁の所得区分の考え方では、事業として「反復・継続・独立」性が認められない副業収入は雑所得に区分されることが多いとされています。事業所得と雑所得では青色申告特別控除の適用可否が変わるため、線引きは非常に重要です。
「控除」ではなく「経費」で所得を圧縮する
雑所得で節税を考えるなら、まず着目すべきは必要経費です。収入から経費を引いた金額が雑所得の金額となり、この金額に対して税金がかかります。
経費として認められやすいもの
- 副業のパソコン購入費(按分計算が必要な場合あり)
- 取材や執筆にかかった交通費・書籍代
- 仮想通貨取引の際に発生した取引手数料
- 自宅の一部を作業スペースとして使う場合の家賃・光熱費の按分分
例えば副業収入が年間で約60万円、経費が約15万円だった場合、雑所得の金額は約45万円になります。この差額の圧縮が、そのまま課税対象額の減少につながります。
経費計上での失敗例
よくある失敗が「プライベートの支出まで経費に含めてしまう」ケースです。例えば私用と兼用のスマートフォン代を全額経費にしてしまい、税務調査で使用実態に応じた按分を求められ、追徴課税になった例があります。按分の根拠(使用時間や面積の割合など)を記録しておくことが欠かせません。
また、公的年金等に係る雑所得については、実額の経費ではなく「公的年金等控除」という別枠の控除が用意されています。年齢や年金収入額に応じて控除額が変わるため、通常の経費計算とは分けて考える必要があります。
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記事づくりを任せる →所得控除を使って税額そのものを減らす
雑所得の金額を経費で圧縮したら、次は所得税額全体を計算する段階で使える所得控除を確認します。代表的なものは以下の通りです。
- 基礎控除(所得金額に応じて最大48万円程度)
- 社会保険料控除(国民年金・国民健康保険料の全額)
- 生命保険料控除(上限あり)
- 医療費控除(年間の医療費が一定額を超えた場合)
- 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoの掛金など)
これらは雑所得だけでなく、給与所得など他の所得と合算した総所得金額から差し引かれます。副業で雑所得が年間おおよそ20万円を超えると確定申告が必要になるケースが多く、その際にこれらの所得控除を漏れなく適用できるかどうかで、納税額に数万円単位の差が出ることも珍しくありません。
iDeCoを使った節税の限界
iDeCoの掛金は小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除になり、節税効果が高い手法として知られています。ただし60歳まで原則引き出せない点や、掛金上限が職業・企業年金の有無によって異なる点には注意が必要です。資金の流動性を重視する人には非推奨といえるでしょう。
確定申告での注意点と手順
申告が必要になる目安
給与所得者が副業の雑所得を得ている場合、年間の所得(収入から経費を引いた額)が20万円を超えると確定申告が原則必要です。一方、給与所得がない人は所得の種類に関わらず、基礎控除額(約48万円)を超えると申告義務が生じる場合があります。この基準は「目安」として広く知られていますが、住民税の申告は20万円以下でも別途必要になる点は見落とされがちです。
申告の基本的な流れ
1. 1年間の雑所得の収入と経費を集計する
2. 公的年金等がある場合は源泉徴収票を確認する
3. 他の所得(給与所得など)と合算して総所得金額を計算する
4. 所得控除を適用し、課税所得金額を算出する
5. 国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して申告書を作成・提出する
国税庁の確定申告書等作成コーナーはオンラインで24時間利用でき、税務署への来訪や待ち時間ゼロで申告書を作成できる点が大きなメリットです。副業や在宅ワークで忙しい人ほど、こうしたオンラインツールの活用が申告漏れを防ぐ近道になります。
よくある失敗例
- 複数の副業収入を合算せず、一部だけ申告してしまう
- 仮想通貨の損益計算を取引所ごとに行わず、合算漏れが発生する
- 経費の領収書を保存しておらず、税務調査で経費計上が否認される
特に暗号資産の税務処理は複雑になりやすいため、取引量が多い人は専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
雑所得自体に専用の控除枠はありませんが、経費計上による所得圧縮と、基礎控除・社会保険料控除などの所得控除の活用によって、実質的な節税は十分可能です。特に副業収入がある会社員は、20万円という申告ラインと住民税申告の扱いの違いに注意しながら、経費の記録を日頃から残しておくことが重要です。個別の税務判断については、最終的に国税庁の公式情報や税理士への相談を通じて確認することをおすすめします。
よくある質問
- Q. 雑所得には基礎控除以外に使える控除はありますか?
- A. 雑所得専用の控除はありませんが、公的年金等の場合は公的年金等控除が適用されます。それ以外は必要経費を差し引き、さらに基礎控除や社会保険料控除など全所得共通の所得控除を適用する形になります。
- Q. 副業の雑所得が20万円以下なら申告不要ですか?
- A. 所得税の確定申告は原則不要とされる場合が多いですが、住民税の申告は別途必要になることが一般的です。自治体によって扱いが異なるため、お住まいの市区町村への確認をおすすめします。
- Q. 仮想通貨の損失は雑所得の経費として使えますか?
- A. 仮想通貨取引にかかった手数料などは経費として認められますが、雑所得内での損益通算は可能でも、給与所得など他の所得区分との損益通算は原則できません。詳細は国税庁の情報を確認してください。



