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贈与税は複数人から受けても合算課税【2026年版】

公開: 2026-09-29 / 更新: 2026-09-29 ・ 読了 約4分

この記事の要点

  • 贈与税は贈与者の人数でなく受贈者1人あたり年110万円が基礎控除の基準
  • 複数人・複数回の贈与も1年間で合算して課税対象額を判定する
  • 申告漏れを防ぐには贈与者・金額・日付の記録と早めの専門家相談が重要

贈与税は複数人から受け取っても「合算」して計算される

結論から言うと、贈与税は贈与してくれた人ごとに別々に計算するのではなく、その年に受け取った贈与の合計額に対して課税されます。父から60万円、母から60万円をもらった場合、合計120万円が課税対象となり、基礎控除110万円を超えた10万円に贈与税がかかります。

この仕組みを知らずに「1人からの贈与が110万円以下だから非課税」と誤解しているケースが非常に多く、申告漏れにつながりやすいポイントです。

贈与税の基礎控除は「もらう人」1人につき年110万円

贈与税の基礎控除は、贈与する側の人数ではなく、贈与を受ける側(受贈者)1人につき年間110万円と定められています。したがって、何人から贈与を受けても、合計額が110万円を超えれば超過分に課税されます。

誤解されやすい「1人110万円まで」の勘違い

「祖父から110万円、祖母から110万円もらえば、それぞれ非課税だから合計220万円まで無税」と考える方がいますが、これは誤りです。受贈者を基準に合算されるため、この場合は220万円全体から110万円を差し引いた110万円分に贈与税がかかります。

複数人・複数回の贈与も1年単位で合算される

合算されるのは「贈与者の人数」だけでなく「贈与の回数」も同様です。同じ人から1年間に3回に分けて贈与を受けた場合も、合計額で判定します。分割すれば非課税になると考えるのは誤解であり、年間の合計額で基礎控除を超えるかどうかを確認する必要があります。

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具体的な計算例で仕組みを確認する

実際の数字で計算の流れを確認してみましょう。贈与税は暦年課税の場合、基礎控除後の金額に税率を掛けて計算します。18歳以上の子や孫が直系尊属(父母・祖父母など)から贈与を受ける場合は「特例税率」、それ以外は「一般税率」が適用されます。

ケース1:父と母からそれぞれ100万円ずつ受け取った場合

合計200万円から基礎控除110万円を差し引くと、課税対象額は90万円です。特例税率が適用される場合、税率10%、控除額0円のため、贈与税額はおおよそ9万円程度になります。一般税率が適用される場合も同じ税率区分ですが、贈与者の関係によって税率が変わる点には注意が必要です。

ケース2:祖父・祖母・叔父の3人からそれぞれ80万円ずつ受け取った場合

合計240万円から基礎控除110万円を差し引くと、課税対象額は130万円です。この場合、税率区分によって税額は数万円〜十数万円の幅が生じます。誰からの贈与かによって特例税率・一般税率のどちらが適用されるかが変わるため、贈与者ごとの関係性を整理しておくことが重要です。

複数人から贈与を受けたときによくある失敗例

失敗例1:110万円ルールを人数分と勘違いして無申告になる

最も多い失敗は、贈与者の人数分だけ110万円の非課税枠があると思い込み、申告をしないまま数年が経過してしまうケースです。後日、税務署からの指摘や相続時の税務調査で発覚し、加算税や延滞税が課される可能性があります。

失敗例2:誰からいくらもらったか記録を残していない

複数人から贈与を受けると、いつ・誰から・いくら受け取ったかが曖昧になりがちです。通帳の入金記録だけでは贈与の事実を証明しにくく、後から合計額を正確に把握できないという相談も少なくありません。贈与のたびに簡単な贈与契約書を作成し、金額と日付を記録しておくことをおすすめします。

失敗例3:相続時精算課税制度との併用を整理していない

父からは相続時精算課税制度を選択し、母からは暦年課税で贈与を受けるなど、贈与者ごとに異なる制度を利用しているケースがあります。この場合、それぞれの制度の適用関係を正しく整理しないと、申告内容に誤りが生じやすくなります。制度の選択は一度行うと原則として撤回できないため、慎重な判断が求められます。

申告が必要かどうかの判断手順

1. その年に受け取った贈与の贈与者・金額をすべて洗い出す

2. 合計額から基礎控除110万円を差し引く

3. 差し引いた金額がプラスであれば、贈与税の申告が必要かどうかを確認する

4. 特例税率・一般税率のどちらが適用されるか、贈与者との関係を確認する

5. 不明点があれば早めに税務署や専門家に相談する

申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。期限を過ぎると加算税が発生する可能性があるため、複数人から贈与を受ける見込みがある年は早めに合計額を把握しておくことが大切です。

まとめ:複数人からの贈与こそ合計額の管理が重要

贈与税は贈与者の人数に関係なく、受贈者が1年間に受け取った合計額で判定されます。複数人から贈与を受ける可能性がある方は、誰からいくら受け取ったかを記録し、基礎控除110万円を超えていないか年末に確認する習慣をつけることが、申告漏れや思わぬ税負担を防ぐポイントです。制度の適用関係や税額の詳細については、国税庁の情報を確認するか、税理士など専門家に相談したうえで最終判断することをおすすめします。

よくある質問

Q. 複数人から贈与を受けた場合、それぞれ110万円まで非課税になりますか?
A. いいえ。非課税枠は贈与を受ける人1人につき年間110万円で、贈与者の人数分もらえるわけではありません。複数人からの贈与は合計額で判定されます。
Q. 祖父母と両親の両方から贈与を受けた場合、税率は同じですか?
A. 18歳以上の人が直系尊属から贈与を受ける場合は特例税率が適用されることが多いですが、贈与者との続柄によって税率区分が異なる場合があるため、個別に確認する必要があります。
Q. 複数人からの贈与を証明する書類は必要ですか?
A. 法律上は必須ではありませんが、贈与契約書や振込記録を残しておくことで、金額や時期を正確に把握でき、後日の申告や税務調査の際にも役立ちます。
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